君はもう『千年ダーリン』を読んだか?!
みなさんご存知『昭和奇想鉄騎 千年ダーリン』が面白くてサイコーだぜ!という記事です。
千年ダーリンはリイド社のトーチというWebサイトで連載されていて、単行本化されるまでのお話はサイトで無料で読める連載方式をとってます。課金やポイント貯めなくても読めるシンプル設計でありがたいね。
https://to-ti.in/product/darling
1980年のザ・昭和な時代に、程よく田舎な舞台設定で不良の主人公が古代のオーパーツの神秘に巻き込まれる、みたいな20年?30年?前によく見たなぁ、みたいなノスタルジーを感じる設定とそれにマッチした絵柄で、まさか令和の現代でこんな漫画が発刊されているなんて......。でも、厄介なオタクはあの頃の感じが好きで忘れられないんだよな。困ったなぁ〜!
ざっくりとしたあらすじは単行本の帯とか、サイトの説明とかを読めばわかるんですが、死んでサイボーグ?になった岩男児:束ノ間一平と、彼を復活させた技師の枝美男:仮初銀色の2人が世界を救う、ブロマンスオーパーツバトル漫画、と言った感じ。
特にこの漫画を特異な物にしているのは主人公2人のロマンス要素だと思うのだけど、特にそれを物語やバトルに組み込むのが非常に秀逸に感じる。ダーリンや一目惚れ、駆け落ちなんて言葉で2人の関係性が表現されるのはもちろんのことなのだが、なんせ、この2人のバトル方法は、胸を高鳴らせて鼓動を相手に伝えることなのだ。作中ではこれを「抱きしめるだけでいい」と表現している。
こんなロマンチックな設定を正々堂々正面から提示できるのが千年ダーリンの強みであり核であると思う。この物語は2人の少年が出会って胸を高鳴らせることで世界を救う、ボーイ・ミーツ・ボーイのロマンス少年バトル漫画なのだ。
何より今、全話無料公開中で、最新話では舞台となる千年谷の過去編が終結。炭鉱が無くなって天涯孤独の身となった一平がどうしてこの町に住み続けているのか、最初ツンツンしていた銀色がどうして今のような一平にメロメロのズブズブになったのかが明かされる重要なアークになったので、みんなも千年ダーリンの熱を浴びてこの胸の高鳴りを共有してほしい。頼む〜!読んでくれ〜!
2人はこれから無事に互いを抱きしめて鼓動を交わすことができるのか、このロマンスの行方が気になって仕方ないよ!
P.S.
2人の周りのキャラも大変魅力的なのだけど、ジグザグ、一平の友達の舛くん、マッキーンポーとリスが個人的に好きです。
おぉぉ、ジグザグ、ジグザグよ......。
Batman: Wayne Family Adventures Ep.29 Hangout
無料で、しかも遅れてだけど日本語でも読めるバットマンことBatman: Wayne Family Adventuresの29話で ヤング・ジャスティスのメンバーが登場しました!やったぁ〜!
今回はWFAの登場順にざっくりとしたこの4人のキャラクター設定や、関係性を紹介していこうと思います。
キャラ紹介のために該当作品の画像をつけますが、本編は無料なので是非本編をご覧ください。
Ep. 29 - Hangout | Batman: Wayne Family Adventures
まず、この4人がどういうグループかというと、ティムの同世代であり親友で、ティムがティーンヒーローのチームを組む時の定番メンバーです。
90年代に組んだヤング・ジャスティス、2000年代に組んだティーン・タイタンズ、フラッシュポイントを経て再編したティーン・タイタンズ、リバースを迎え復活したヤング・ジャスティスと、4回結成されたティムを中心としたティーンチームで、出入りはあれど必ずメンバーに参加していたのがこの4人になるのです。
ロビン、レッドロビン 、ドレイクなどチームでも多くのヒーロー名で活動をしてる古株です。
この4人の中では中心人物としてチームを集めるきっかけになったり、参謀やお兄さんらしく立ち回る機会が度々あります。
4人の中で唯一の超人的な能力のないキャラですが、その頭脳で事件を解決にも、重大なトラブルにも導く、バットマンに似たポジション。
比較的自由な他3人に比べロビンでは公向けの活動ができないために、テレビ取材の際には蛇っぽいコスチュームを着てミスター・サーカスティックと名乗ったこともあります。
最近のコミックスでステフと別れ、彼氏ができましたが、彼氏のバーナードは高校の同級生のため、まだ高校に通っているようであればWFAでもバーナードが出てくる可能性があります。が、飛び級して大学に進んだり、フリースクールと称して学業をしていなかった時期もあるため、WFAでの設定次第でしょう。
●コナー・ケント
スーパーボーイとして、スーパーマンの死後、後継者候補として登場し、のちにクラークからコン・エルというクリプトン人名、コナー・ケントという地球人名前をそれぞれの家の祖先から継ぎました。
紹介文にもある通り、スーパーマンとレックス・ルーサーのDNAを持っていて、これはルーサーがスーパーマンのクローンを作る際に技術上完璧に複製できず、その部分を自分のDNAで補完したためです。
また、能力も人工的に補完されていて、スーパーマンと同様のことができますが、実は身体を強化したり拡張するような超能力を使っています。
同一人物ですがチャラチャラしたプレイボーイな時期と、スーパーマンらしい真面目さを持った時期があり、WFAでは真面目な頃をベースに性格はプレイボーイ期に少し寄った印象を受けます。服のポケットに刺さっているサングラスはプレイボーイ期の象徴的なアイテムの1つです。
お話の最後にティムが「スモールヴィルで会うべきだった。ケントさん達は優しい」と言っていますが、スモールヴィルはクラークの実家がある町の名前で、ケントさん達はクラークの育ての両親のマーサとジョナサンです。コナーはハワイから引っ越した後はクラークの実家にお世話になっているので、実質コナーの家と家族(育児面での両親)のことです。
●バート・アレン
バートは未来から来たフラッシュ:バリー・アレンの孫で、インパルス・キッドフラッシュ・フラッシュと時期や身体の成長の度合いでヒーロー名が変わる、DCキャラの中でもかなり年齢幅の広いバージョンを持っているキャラです。
他の3人に比べ身体的に少し幼い弟ポジションですが、そもそも実年齢が非常に幼く、スピードフォースの力で身体的に成長しているだけなため、子供らしいキャラ描写が目立ちます。ただフラッシュの家系らしく頭脳は明晰で、スピードフォースで大量の本を読んで、その知識を利用して戦うこともあります。
バートは茶髪で小柄、ボリュームのある髪なことが多いのですが、WFAのデザインは赤毛でそばかすと、バートの先代、ウォーリー・ウェストによくされているデザインな印象です。
今回のようにティムにお願いをしてバットモービルを運転させてもらったことがありますが、事故を起こしたため二度目を許されていません。
●キャシー・サンズマーク
ダイアナ、ドナに続く3代目のワンダーガールであり、アマゾネスの出自ではない珍しい立ち場です。当初はお母さんが博物館職員としてダイアナと知り合い、ダイアナを助けるためにヒーローになりました。
しかし、実はお母さんはギリシャ神話の神ゼウスと関係を持っており、キャシーはゼウスの娘で半神です。
チームとしては当初はスーパーボーイのファンガールだったり、先代たちらしくと黒髪のカツラを被ったり、ドナから譲り受けたコスチュームを傷付けるのが怖くて着れなかったりと、ミーハーで未熟な面が目立ちましたが、半神の身体能力と神々の武器を用いて戦い、投票の上正式にチームリーダーに選ばれるなど世代の顔として活躍し、多くのティーンヒーローの代表として大人世代と渡り合い、仲間をエンパワーメントしてきました。
WFAではコミックスでも定番のコナーとの恋愛関係が示唆されており、過去につけていた星形の耳飾りや最近取り入れられた黒いカチューシャをつけています。
なお、フラッシュポイント以降は設定が少し変わっており、父親だったゼウスは祖父に、父親はダイアナの異母兄になっています。
WFAはコンセプト上どうしてもバットファミリーが中心のため今後また登場する機会があるかわかりませんが、ティムの友達としてちょっとした時に登場するといいなぁなどと願っております。みんなも毎週木曜更新なWFAを読もう!日本語版も読もう!
キング・シャークオリジン『Superboy #9』
ジェームズ・ガン監督作品映画『The Soucide Squad』が公開間近となったので、登場キャラクターの1人、キング・シャークのオリジンに当たる『Superboy #9』の紹介をします。
実はキング・シャークの初登場は9号ではなく8号の後に出版された0号なのですが、
(数話刊行された後に0号が刊行されることはまま、あります)
0号では出てないも等しいので、メインヴィランとして紹介された9号のみの紹介です。
とは言っても、実はこのキング・シャークはハワイのサメ男、ナナウエの伝説に基づくキャラクターで、ハワイ神話について調べる方がベース知識として重要かもしれません。
自分はハワイ神話についてはあまり詳しくないので、注釈が必要かなと思ったところにのみハワイ神話の注釈をいれるにとどめます。詳細は各自確認ください。
※リーフ1号分の紹介なので、ネタバレしかありません。読める方はコミクソロジー等で先に読んでいただく方がよろしいかと思います。
Superboy (1994-2002) #9 - Comics by comiXology
ホノルルのビーチで彼女であるタナやその兄家族と休暇を過ごしていたスーパーボーイは、サメに襲われます。
(※ホノルルはオワフ島の南西部ですが、そもそもナナウエの神話はオワフ島の西北部のカネアナ(マクア)洞窟の神話です)
襲われた子供たちを救出した後、FBIのマコアが現場に現れサメ男のシリアルキラー、キング・シャークが監獄から逃亡したとこを告げます。
元来サメはハワイの守り神であることから、サメの姿をしている息子を神の子孫だと考えた母親は、最初の逮捕の際も息子を庇っており、マコアとスーパーボーイはキング・シャークの実家を捜索することに。
そこで2人は母親カイケアが飢えたキング・シャークに自分の腕を食べさせた上で逃したことを知ります。
(ハワイ神話では母親の名前はカレイ)
家の裏手で洞窟への入り口を見つけたスーパーボーイは洞窟へと進み、ついにキング・シャークと対峙します。
水中先頭に苦しみながらもXレイゴーグルにより、キング・シャークを捕獲。逃亡を手伝った母親も逮捕されるのでした。
(この時期のスーパーボーイはヒートビジョンが出せず、ゴーグル使用しています)
この話ではスーパーボーイやマコアは母親を狂人、息子を怪物のように考えていますが、産みの母親であるカイケアは覚えています。
ある晩、彼女の夢の中に彼はやってきました。
カイケアの夫であり、家の代々の守護神であり、全てのサメの父である神。
「生まれた息子にナナウエと名づけ守れ。そうすれば彼もお前を守るだろう。
やがて、彼はキング・シャークとなる。」
神は今も妻や子供たちを見守り、復活の時を窺っているのだ......。
(ハワイ神話ではサメの神の名はカモホアリイ)
ちなみに、近日8/14日に行われる世界的なイベント、Free Comic Book Day(フリーコミックブックデイ)がありまして、コミックショップを利用(何か購入)するだけで無料でコミックスをもらえるというなんともありがたい日です。
そちらの対象の無料コミックスに『スーサイド・スクワッド:キング・シャーク』というこれから始まるキング・シャークの連載シリーズの1話があります。
こちら昨今の事情もありまして、通販購入でも無料コミックスがもらえる対応をしている店舗もあるようです。
ちなみにちょうど今、映画公開キャンペーンで映画版のキャラクターたちを描いた表紙のコミックスが売っております。(中身はコミックス独自の連載や過去の総集編なので映画とは関係ありません)
こちらを1冊でも購入するだけで、無料コミックスも貰えるという形です(もちろん他の商品の購入でも大丈夫です)。
英語にはなりますが、せっかくの映画の公開と合わせて、こちらも入手を考えてみてはいかがでしょうか?
詳細はFCBDに参加されている店舗のお知らせをご覧ください。
祝復活!スーパーボーイ、コナー・ケントの来歴まとめ
気がつけばDCも新イベント『Future State』が始まり、2021年3月からはついに新しい時代、『インフィニット・フロンティア』が始まろうとしています。
というわけで、リバース期までのスーパーボーイ(コナー・ケント)のざっくりとした来歴をまとめようかな、という感じです。
これから3月以降も(え?スーサイド・スクワッド誌で?)出番がありそうなので、そちらでこれから始めて知るキャラだという方に、さっくりどういうキャラか知ってもらえれば幸いです。
①初登場〜フラッシュポイント前
スーパーマンの死後、出てきた後継者候補4人の中の1人、スーパーマンのクローンとして登場したのがスーパーボーイです。
正確には全く一緒のクローンではなく、クリプトニアン部分はクラークの遺伝情報を用いながら、人類の技術で再現できない部分は人間の遺伝子で補填し、クリプトニアンの身体を覆うオーラの代替として(接触性)テレキネシスを身につけた全くの別の個体になります。
多様なコスチュームを経つつ、スーパーマンと関わり地球人名コナー・ケントやクリプトン名コン-エルをもらったり、ヤング・ジャスティスやティーン・タイタンズといった若手ヒーローチームに所属しティム(ロビン/レッドロビン )・バート(インパルス/キッドフラッシュ)・キャシー(ワンダーガール)と現代まで続く親友に。
特にティーン・タイタンズ加入後には遺伝子上スーパーマンとレックス・ルーサーのクローンであることが判明し、自分の中にある善と悪の存在に心を惑わせる様子を見せていきます。
②フラッシュポイント〜DCユニバースリバース以降
フラッシュポイント以降、New 52期は設定が一新され、未来人ハーベストによって作られたクラークとロイスの息子のクローンということになりました。個人誌以外に時期によってティーン・タイタンズを中心にハーベストの関わる複数チームの短期加入者のような状態になり、個人誌でも主人公交代が起こるなど、登場期間は短期ですが多くのシリーズで姿を見ることができます。
ハーベストと共に現代を去って以降出番はなかったのですが、DCユニバースリバース以降、ハーベストのみが現代で遺体が発見され、当人の所在は明言されない状態に。
また、スーパーマン:リボーン等歴史改変イベント後の歴史の振り返りにおいて、スーパーマンの後継者候補は3人、ティムがコナーという名の人物を知らない等存在が歴史から抹消されたような状態になります。
③DCユニバースリバース途中(2019年)〜インフィニット・フロンティア
2019年1月からワンダーコミックスが始まり、その中のラインナップの1つ、ヤング・ジャスティスにてコナー・ケントが再登場し、同時期にティム等一部のキャラが、自分の体験したことのないフラッシュポイント前の記憶を取り戻すなど、歴史観の変化が起こりました。
このコナーは①の世界に非常に近しいだろうアースから来ており、また元いたアースが消滅したために現行アースに留まることとなります。
基本的には①と同じような経験をしているかと思われますが、正確な過去の描写はないので、どこまで同一の歴史を辿ってきたのかはわかりません。少なくとも黒Tシャツを来て高校に通うようになるまでは経験しているようです。
また、①同様マーサやジョナサンと共にスモールヴィルで暮らした記憶もあり、クラークからも弟としてスモールヴィルで両親と住むことを認められています。
インフィニット・フロンティア前までは取り巻く環境の確認や再登場での人間関係の紹介、今後への種まきが主で、キャラクターの深掘りやこの世界に来てからの反応をみれるのはスーサイド・スクワッド誌になりそうです。
ざっくりとではありますが、今までのキャラクターの辿った変化と現状についての説明でした。
これからインフィニット・フロンティアで新たな活躍を見せるだろうコナー・ケントのこれからを見届ける一助にお役立てくださればと思います。
気になったら買って読んでくれ!
Shadow of the Batgirl
DCが最近出版している、コミックスとは別の自由な世界観で描く子供向けグラフィック・ノベル作品のうちの1冊、最近は『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』にも出演予定のキャラ、カサンドラ・ケインを主役にしたお話です。
とは言っても、映画版とは違いこちらのカサンドラはコミックス従来のキャラクター設定に近いものになっています。
暗殺者として育てられたカサンドラは、殺人の任務を途中で放棄して逃げてしまいます。殺そうとした相手の発した“娘”という言葉、それはカサンドラが今まで知っていると思っていた“娘”という言葉ではありませんでした。
暗殺のスキル以外をほとんど教えられなかったカサンドラが知っているわずかな言葉の一つである、父からかけられた“娘”という言葉。
街に溢れる言葉に追い立てられるように逃げ場を求めたカサンドラが辿り着いたのは静寂の広がる図書館でした。
図書館の一角を勝手に借りて生活し始めたカサンドラはそこで新しい“娘”という言葉と出会います。
カサンドラはバットガールから“娘”という言葉の本当の意味を知ろうとします。
また図書館生活を送るカサンドラは初めて人と普通の交流をします。
暗殺に失敗してまず出会ったラーメン屋を営むジャッキーは、お腹の減ったカサンドラにラーメンを食べさせてくれたり、お風呂や服等生活に必要不可欠なサポートをしてくれます。
図書館でバットガールについて子供達に教えていたバーバラはアシスタントになる代わりにバットガールについて詳しく教えてくれます。
学生でアメフト選手のエリックは夏季休暇に図書館のアシスタントをしており、カサンドラにおすすめの本を教えてくれたり、読書クラブを通して本当の自分の気持ちを共に探すことになります。
カサンドラの父による犯罪の波で揺れるゴッサムにはもうバットガールはいません。図書館生活を通じて様々な言葉や気持ち、そしてバットガールというヒーローの存在を知ったカサンドラが、迫りくる父の脅威にどう争うか。
シリアスな題材でありながら子供らしい真摯さと軽やかさでアイデンティティの獲得を描く名著です。
RED ROBIN: THE GRAIL
翌日になりましたが、7/19ということで、ティムお誕生日おめでとう個人誌紹介です。
レッドロビン:the Grail
ライターはクリストファー・ヨスト、ペンシラーはラモン・バッハ。
- 作者: Christopher Yost,Ramon Bachs
- 出版社/メーカー: DC Comics
- 発売日: 2010/05/04
- メディア: ペーパーバック
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Grailは聖杯という意味ですが、そのものというよりも、聖杯伝説に由来する手に入れる事が非常に困難な物の探索、という意味でつけられた題名だと思います。
時期はフラッシュポイント前、アイデンティテ・クライシスによって実の父を失った3代目ロビンことティム・ドレイクはブルース・ウェインからの申し出を受け入れ、ティム・ウェインとしてブルースの正式な養子になっています。
さらにインフィニット・クライシスにて親友のスーパーボーイ(コン・エル/コナー・ケント)が死に、続いて死んだキッドフラッシュ(バート・アレン)を生き返らせようとクローンの研究に励んだりもしていました。
ゴッサムでは急に現れたダミアンにロビンの地位を取られ、生き返ったジェイソン・トッドの対応をし、ブルースが死に、兄弟喧嘩の末、ディックがバットマンを継ぐ決意をしました。
そんな中で2009年に始まったこのレッドロビン誌はティムの孤独から始まります。
ディックはまだまだ問題を抱えているダミアンをロビンとして側に置くことでダミアンを良い方向に育てようとします。同時にティムには同列の兄弟として共にゴッサムを守って欲しいと考えています。
しかしティムは、ダミアンが自分に代わってロビンに選ばれたことに納得がいっていません。ブルースの死を、そして変化を受け入れろというディックを拒んでしまいます。
事態を受け入れられないティムが、一暴れした後にたどり着いた考え、それは、『ブルースは生きている』ということです。
『彼は何処かにいる。僕はわかる。僕は正しい』
『みんな僕が悲しみにくれて現実を受け入れてないって思うだろう』
『正気を失った、ってね』
『でも、ブルースは僕にとって全てで、絶対にブルースは生きてるはずだ』
『集中しろ。探し続けろ』
『答えを見つけるんだ。ブルースは何処かにいる』
『ブルースは僕を見捨てない』
『僕もブルースを死なせてはおかない。忘れさせやしない』
その決意の元、生き返って暴れまわったジェイソンの着ていたコスチュームを、名誉なきロビンの表れとして身に纏ったティムは世界を飛び回ってブルースが生きている証拠を探し続けます。
ティムがゴッサムを出て行く前には、元カノのステファニーや、ヤングジャスティス時代からの友人のワンダーガール、さらにはディックがティムにブルースが死んだ現実を受け止める様話しかけますが、ティムは自分を信じてくれと言い、より溝を深めてしまいます。
誰も信じてくれない、でも自分は正しい、ブルースは生きている。そんなティムに接触する、同じくブルースの生存を信じる唯一の男の存在。そして、ウェイン社の者としてティム・ウェインを探すフォックスの娘、タム。
友人、ヴィランと対峙しながらも独り真実を追い求めたティム・ウェインがたどり着いた答えとは。
ここから続くレッドロビンのシリーズの序盤として、またモリソン期のバットマン誌の裏話として、親の生存を信じる1人の息子の探索の物語として非常に良いお話だと思います。
ティムの執念深さというか、登場初期から続く、自分の正しいと思ったことを貫き通す強さを感じさせてくれる、ティム・ドレイク入門本としても良い本だと思います。
それから活躍は続巻以降が多いのですが、本作で登場する父のルーシャス・フォックスにお使いを頼まれてティムのヴィジランテの世界に巻き込まれたタムとの関係が非常に好きなので、TPB全4冊の2009年レッドロビンシリーズ、ぜひぜひ読んでみてください。
祝DCユニバースリバース発売! Superman:the Final Days of Superman
ついにDCリバースユニバースの邦訳本が発売されましたね!
【最新刊】DCユニバース:リバース | ShoProBooks
ところでこの話はNew52のスーパーマンの死から始まるのですが、スーパーマンの死について書かれた話、Superman:the Final Days of Supermanの邦訳が現状予定されていないので、スーパーマン関係でリバースに繋がりそうな重要な部分についてご紹介したいと思います。
SUPERMAN: THE FINAL DAYS OF SUPERMAN | DC
●ラナとの約束
自分の死を悟ったクラークはまずラナ・ラングを訪ね約束を取り付けます。
それは自分の死後、スモールヴィル墓地に眠る育ての親、ケント夫妻の墓の隣に自分も埋めて欲しいという願い。
同じスモールヴィルで育ち、今もスモールヴィルで暮らす旧友のラナにクラークは自分の死後を託したのでした。
孤独の要塞の新たな主人にスーパーガールを選んだクラークはバットマンの協力の下カーラと再会、孤独の要塞のマスターキーを譲渡します。
この北極にある孤独の要塞にはクラークの産みと育ての両親4人の像があり、カーラのために新たに自分の記録映像(?おそらくクリプトンのデータベースの案内役として)を残しています。
●フラッシュポイント前のクラークとの会合
フラッシュポイントというイベントで新しくなった今の世界(プライムアース)には実はフラッシュポイントの前にあった世界から来たスーパーマン一家が10年程住んでいます。
バットマンにだけは存在がわかるように注意を払いつつ田舎暮らしの傍ら密かにヒーロー活動をしていたクラーク・ホワイト(この世界のクラークのためケントと名乗れず偽名)とその妻ロイス・ホワイト、息子の・ジョナサン・ホワイトがついにこの世界のロイス・レーンに存在がバレてしまいます。
さらにスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、スーパーガール、ロイス・レーン、ラナ、スチールに初めて会ったクラーク・ホワイトは彼らと共にこの世界のスーパーマンを看取ることになります。
またスーパーマンの死の一件でホワイト家は破壊され、DCユニバースリバース以降ハミルトンへ引っ越します。その際に苗字も変え、以後は姓をスミスと名乗っています。
ちなみにこちらのスーパーマンはコロラドの山中に孤独の要塞を持っています。
●4つの赤い光と死体
スーパーマンは死ぬ際に四方に赤い光を放ちました。
そのうち2つはロイス・レーンとラナにあたり、残り2つは何処かへと行ってしまいます。
また遺体は塵になってしまいました。
スーパーマンの死と彼の功績はロイス・レーンによって新聞記事で報じられています。
他にも新たなキャラクター、ケナン・コンを主人公に迎えるNew Super-man誌に続く、中国へトリニティが行く話や自分をスーパーマンだと思ってしまった男との戦いなどスーパーマンが死ぬまでを描いた、公式にDCユニバースリバースの前日譚、Road to RebirthとされるSuperman: the Final Days of Supermanを読めば今後刊行されるリバース期がより楽しめます!
NEW SUPER-MAN VOL. 1: MADE IN CHINA | DC